こんにちは!ミントの介護ブログ運営者のミントです。
皆さんは「介護タクシー」を使われたことがあるでしょうか?
私は普段は母を車椅子に乗せて歩きますが、タクシーが必要な場合は、一般のタクシーを呼んでいました。
しかし、車椅子でタクシーを利用するのは、運転手さんに気を使って疲れるんですよね。
そこで、昨日は初めて「介護タクシー」を利用しました。
介護タクシーとはなかなか便利で快適なものだったのですが、介護タクシーのサービスも業者によっていろいろと違うみたいです。
今回は、「介護タクシーとはどういうものか?」について調べてみました。
そして、実際に介護タクシーを使った感想をお話します。
※介護タクシーには介護保険を利用しないタクシーと介護保険を利用するタクシーがありますが、この記事では介護保険を利用しないタクシーを「介護タクシー」、介護保険を利用するタクシーを「介護保険タクシー」と呼ぶこととします。
目次
介護タクシーを利用できる人とは?
介護タクシーを利用できる人とは、以下のような人です。
- 要支援、要介護などの認定を受けている人。
- 身体に障がいがある人。
- 怪我や病気などで一人で交通機関が利用できない人。
業者によって表現はまちまちですが、様々な理由で一人で交通機関を使っての移動が困難な人を対象にしたタクシーです。
介護タクシーの利用方法とは?
基本的には電話やメールでの予約が必要です。
しかし、私の場合は急に電話を掛けたのですが、たまたま車が空いていて利用することができました。
予約を入れていない場合も諦めずに電話をかけてみるのが良いと思います。
ただし、行きは車が空いていましたが、帰りは予約がいっぱいで利用できませんでした。
前もって利用日がわかっている場合は、当然ですが予約を入れての利用をおすすめします。
介護タクシーには付き添いも一緒に乗車できる?
付き添いも乗車できます。
ただし、乗車可能な人数は配車される車によりますので、予約時に確認するようにしてください。
介護タクシーの運賃は?
介護タクシーの運賃には、大きく分けて「距離制運賃」と、「時間制運賃」があります。
ほとんどの介護タクシー業者は距離制運賃と時間制運賃を併用しているので、利用者はそのどちらか一方を選択することとなります。
距離制運賃
距離制運賃は、だいたいその地域の一般タクシー料金に合わせているところが多いようです。
例えば私が住んでいる兵庫県神戸市では、一般タクシー(中型)の初乗運賃は1800mまでが680円。以後253mごとに80円。
私が今回利用した業者は、初乗運賃は1800mまでが650円。以後286mごとに80円ということで、一般タクシーよりも若干安く設定されていました。
時間制運賃
時間制運賃も各社ばらつきがありますがだいたい、30分2,000円~2,500円程度のところが多いようです。
身体(知的)障がい者割引き
障がい者手帳を提示すると、1割引きになります。(一般タクシーでも同様です)
その他の費用
予約料金、迎車料金、車椅子使用(車内のみ)は無料のところが多いようですが、有料の業者もありますので、注意が必要です。
キャンセ料金も無料、有料、当日のみ有料など様々です。
その他にもいろいろと費用が設定されている場合があるので、よく確認してから予約するようにしましょう。
介護保険タクシーとの違いとは?
介護タクシーには介護保険を利用できない「介護タクシーと」、介護保険を利用できる「介護保険タクシー」があります。
この章では、介護保険タクシーが介護タクシーと違う点について解説します。
介護保険を使って、介助を頼める
介護タクシーとの一番の大きな違いとは、介護保険タクシーは介護保険を利用できることです。
但し、介護保険を利用できるのは介助料金のみですので、移動にかかる運賃や迎車料金等は実費負担です。
介助料金は実費の1割(または2割)負担となります。
※介護タクシーの場合は介助自体行うことができません。
介護保険タクシーを利用できる人は限られる
介護保険タクシーは誰でも利用できるというわけではなく、下のような制限があります。
- 介護度が要介護1~要介護5である。
- バスや電車などの公共交通機関を一人で利用できない。
- 担当のケアマネージャーが作成したプランに介護保険タクシーの利用が組み込まれている。
※介護保険タクシーを利用できない人でも、実費を支払うことで、介護保険タクシーの利用は可能です。
介助者は有資格者である
介護タクシーの場合はドライバーが「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」を取得することは義務ではありませんが、介護保険タクシーの場合は、介助者は必ず資格を取るよう法律で定められています。
※ドライバーとしてのみ乗務し、介助を行わない場合は、必ずしも介護の資格は必要ありません。
介護保険タクシーの利用を開始するには
介護保険タクシーを利用するには、ケアプランに組み込まれている必要があります。
以下のような流れで利用を開始することができます。
- 担当のケアマネージャーに相談し、ケアプランに介護保険タクシーの利用を組み込む。
- ケアマネージャーが介護保険タクシーの業者に依頼。
- 利用者と介護保険タクシー業者が契約を結ぶ。
介護保険タクシーの利用目的には制限がある
介護保険タクシーは介護タクシーとは違い、利用目的に制限があります。
利用できる目的は、下記に限られます。
- 病院や診療所、整骨院などへの通院。
- 市町村の役所などでの手続き。
- 銀行などの金融機関での振り込みや引き落としなど。
- 選挙の投票。
- 有料老人ホームや介護施設等への見学。
介護タクシーと介護保険タクシーの違い一覧
介護タクシーと介護保険タクシーの違いを表にまとめてみました。
介護タクシー | 介護保険タクシー | |
介護保険の利用 | できない | 介助にのみ適用(1割または2割負担。運賃は実費) |
利用できる人 | 交通機関が一人で利用できない人など | 要介護1~5で、ケアプランに介護保険タクシーの利用が組込まれている人 |
介護資格の有無 | 必須ではない | 介助者は介護職員初任者研修の取得が必須 |
介助の有無 | 介助は行わない | 介助を行う |
利用方法 | 電話やメールで予約する | 担当ケアマネがケアプランに組込み、利用者と業者が契約する |
利用目的 | 制限なし | 通院、役所や銀行等の公共機関の利用、介護施設見学 |
介護タクシーのメリットとデメリット
次に、介護タクシーのメリットとデメリットについてお話します。
介護タクシーのメリットとは?
介護タクシーのメリットとは何といっても要介護の認定を受けていない人でも気軽に利用でき、利用目的にも制限が無いことです。
怪我をした人や妊婦さん、要支援1~2で公共交通機関を利用するのが困難な方には、非常に便利ではないでしょうか。
単に車椅子で乗車できて、目的地まで安全に運んでもらえるだけで介助はありませんが、家族などが付き添えるなら、それで十分な場合が多いと思います。
行先も病院や役所だけではなく、旅行に行ったり買い物やお墓参りなどどこでも自由に行けます。
料金は一般のタクシーと変わらないことがほとんどです。
また、障がい者手帳をお持ちの方は1割引きになるので、助かりますね。
介護タクシーのデメリットとは?
介護タクシーは介助が無いのがデメリットだと言えます。
介護保険タクシーだと部屋まで迎えに来てくれ、必要に応じて身体介助(おむつ替えや着替えなど)も1割(または2割)負担で行ってもらえます。
また、病院などへ到着した後は待合室などまで連れて行ってもらうこともできます。
どうしても家族が同行できない場合や、徘徊などがあって付き添いの手が足りない場合など、介護保険を利用して介助をお願いできるのは非常に助かります。
介護タクシーを使ってみての感想
最後に、私が実際に介護タクシーを使ってみた感想を書きます。
電話予約した
何故介護タクシーを使ったのかというと、雨が降っていて、車椅子で外出できなかったからです。
なので、当日いきなり電話予約をする形になってしまいました。
ちなみに行先は、家から約3.6kmの所にある温泉施設です。
電話に出て来たのは普通のおじさんといった感じの人でした。
「初めて介護タクシーを利用します」
と言ったところ、料金の細かい点まで丁寧に説明してくれ、急な申し込みにも関わらず、2時間後には車を回してもらえました。
予約は普通のタクシーを呼ぶ時と同じで、必要なのは「住所、名前、電話番号」そして「来てほしい時間と行き先」を知らせるだけでした。
介護タクシーが到着
ほぼ予定通りの時刻に介護タクシーがマンション下に到着し、私の携帯に連絡が入りました。
母を車椅子に乗せてエレベーターを降りると、すぐそばに介護タクシーのワゴン車が到着していました。
ワゴン車は後部が開き、スロープが出るようになっています。
ドライバーさんが母の車いすを押してスロープを上がってくれました。
助手席にも座れるとのことでしたが、初めてのことなので、私は母の横の少し小さめのシートに座りました。
車内ではいろいろな情報を教えてくれた
車が出発してから温泉に着くまでのほんの10分ほどの間に、ドライバーさんは、車椅子でも入浴可能な近場の温泉宿泊施設など、地元ならではの役立つ情報をいろいろと教えてくださいました。
「帰りもお願いできませんか?」
と、聞いてみましたが、あいにくその後は先約が入っているとのことでした。
今回は突然申し込んだので、それは仕方が無いですね。
温泉に到着!
あっという間に目的の温泉に到着。
介護タクシーの料金は、身体障がい者手帳提示(1割引き)で、1,170円でした。
一般のタクシーを利用した時は、身体障がい者手帳提示(1割引き)で、1,200円程度でしたから、介護タクシーの方が少し安くなりました。
一般のタクシーを使うと、母を車椅子から下ろして、座席へ乗り込ませるだけでも結構大変です。
雨の日は特に座席を汚さないように気を使いますし、ドライバーさんに車椅子をトランクへ入れてもらうのも、やはり気を使うので疲れてしまいます。
降車時もまたしかりです。
その苦労が無い上に料金が安くなるとは驚きでした!
ドライバーさんは温泉の入り口までしっかりと車椅子を押してくださいました。
次回は是非、ドライバーさんに教えていただいた障がい者用の温泉のある宿泊施設へ、介護タクシーを使って母と出かけてみたいと思っています。
おわりに
うちの母は私ひとりでも介助可能なので、介助サービスの無い介護タクシーで十分だと言えます。
しかしこの先、介護度が上がったり、認知症が進んだりして、介護保険タクシーが必要になることもあるでしょう。
そうなると、介護保険タクシーは病院や役所などの目的にしか利用できないので、今回のように温泉へ行ったり、買い物に行ったりはできなくなりますね。
もしそういう使い方をしたい場合は、介助費は実費になります。
しかし人間は楽しみがあってこそ生きがいを感じるものですよね。
ただでさえ日本は若者がまだまだ減っていく厳しい時代です。
介護保険があるだけでもありがたいと思うべきなのでしょうが・・・
今から32年後、私が母の年になる頃にはどんな世の中なのでしょう。
介護ロボットとか、無人タクシーを使って安い費用で自由に動ける時代が来ていたなら嬉しいのですが・・・
早くそういう時代になって欲しいと願っています。
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